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花と透明人間

儚げに揺れる花が透明に染まっていく
「悲しい」も「曖昧」も溶けては
知らないうちに見えなくなって
色のない僕ひとりが交差点歩いたって
笑っては進んでくあなたの
隣には一瞬しかいられないでしょう?
この微かな廻り逢いを奇跡と呼ぶ歌を聞いても
今は、
すれ違う透明人間に
感謝さえできない僕を蔑んで
廻り逢う知らない僕らが
隣あうこんな奇跡を恨んでよ
ねぇ。

儚げに揺れる花が枯れたのは誰のせいだろう
「悔しい」も「明瞭」も溶けては
知らない街に沈みこんで消えた
この微かな無力を希望と呼ぶ歌を聞いても
今は、
限りない世界の狭間で
声さえも出せない僕を貶める
すれ違う透明人間に
恐怖だけ覚えた僕を叱ってよ
ねぇ。

この微かな廻り合いを奇跡と呼ぶ歌を聞いても
未来で、
「悲しい」も「曖昧」も「悔しい」も
「明瞭」にできる僕を望んでは
儚げに揺れる花の色を
いつかまたあなたとすれ違うまで
覚えていたい。


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